第3話 若年性アルツハイマー型認知症パパ VS 介護初心者ムスメ

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第3回 要介護認定を受けるにはどうしたらいいの?

 

ママ:今日病院に行ってきたんだけどね、次の予約が一ヶ月後だよ〜外来と違って急がないのかね〜?

グミ:結構先だね!それだけ患者さんがいるってことなのかな〜。

ママ:お父さんね病院に行く前に、日にちを一生懸命覚えて行ったのよ。この前は覚えられなかったからね(笑)

グミ:えーパパかわいいね。なんか感動しちゃうね。前回答えられなかったってことはわかってるってことなのかなぁ?

ママ:そうみたいね。でもそこまでしないとわからないってことよね〜

グミ:せめての現状維持ってことよね〜次の予定は?

ママ:次は健康診断するよ。あとね市役所の担当の方から質問を受けて介護の等級が決まるんだって!まだヘルパーさんをお願いするほどではないけどね。毎年面接があるんだって。

グミ要介護認定ってやつだよね。面接の時は直前で日にち覚えるやつやっちゃダメだよ。等級結果が狂っちゃうからね!!

ママ:ほんとよね〜お父さんに日にち聞かれたら嘘でも教えようかしら。

グミ:ははは、それもダメ(笑)

ママ:結果によっては何も変わらないってことね。悪くならない薬ないのかなぁ。

グミ:んー。ないんじゃない?現状維持か若年性だから悪くなる一方だと思うよ。

ママ:ゆっくり進めばいいね。

グミ:そうだね。それにママも無理しないでね。

ママ:意外に強いから大丈夫。

グミ:強いって行ったって60歳なんだからね。

ママ:大丈夫よ!私にはキム様がいるから。元気の源なの!

グミ:。。。キム様って誰?

ママ:えーーー知らないの?キム様だよ!キム◯ヒョン様だよ!!!!!!

グミ:知らないー!しかもキム代表みたいな言い方しないで〜キムって名前山ほどいるから〜!!!!! 

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                UKANO仙人より

           要介護認定について詳しく説明しよう

 

①要介護認定を受けるには、まず自身の居住する市区町村へ申請を行うために電話などで相談。(直接申請窓口に行ってもOK)

申請窓口は各役所に設置されており、介護保険課などが担当だぞ。

 

介護保険要介護認定・要支援進呈書申請書という長〜い名前の「申請書」が必要だ。

この申請書は直接介護保険課窓口で受け取るか、市区町村のホームページからもダウンロードできるぞ。

 

③年齢が40〜64歳までの方は医療保険被保険者証」の提出が必要。(パパはこれだな!)年齢が65歳以上の方は「介護保健被保険者証」の提出が必要。

 

④申請に本人が窓口に行くことができない場合には、家族による申請も可能だ。心配するな。郵便による受付も行われているので、必要に応じて各自治体へ確認するべし。

 

「主治医の意見書」が必要だ。

・主治医がいる→申請書に主治医の氏名や病院名、連絡先などの必要事項を提出すれば、市区町村が主治医に意見書の依頼をしてくれるのだ。ちなみに費用はかからないぞ。

 ・主治医がいない→市区町村が指定する医師の下で診察を受け、その後申請書に医師の名前、病院名、連絡先などを記入するのだ。

 

「印鑑」も必要。

 

⑦提出したら、「介護保険資格者証」を受け取り完了。


インターネットに疎いママは、市役所に電話をかけやり方を聞いた。書類を市役所にもらいに行ったり、書類が揃ってはそれらを提出するため、パートを2日休んだ。




                  〜1ヶ月後〜



マメール:今日介護認定の面談の日です。

グミメール:申請お疲れ様〜ありがとうね。

マメール:どうにか私にもできた。今日は市役所の役員さんが家まで来て面接してくれるんだ〜。どうなることやら。

グミメール:家まで来てくれるのはありがたいね。

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                 UKANO仙人より

           要介護認定の流れについて詳しく説明しよう

 

認定調査(一次判定)

一次判定に向けて市区町村から、認定調査の日程連絡があります。そこで希望の日時を決めるのだ。認定調査とは要介護認定の申請後に行われ、調査員(市役所の担当職員、もしくは委託を受けたケアマネージャー)がご自宅や入院先などに訪問し、ご本人の心身の状況や認知機能などに関する確認をするのだ。認定調査には認定調査票(全国共通)が用いられ、本人や家族からの聞き取りや動作確認を行うのだ。また、調査員が重要と考えたことや調査項目では表せない状況(具体的な介護の頻度など)、選択した根拠などは、特記事項に記入される。

 

・(本人へ)生年月日はいつですか?名前を教えていただけますか?

・(ご家族へ)大声を出すことはありますか?夜中に徘徊はしますか?

 

普段から日常の様子をメモしておくといいだろう。ちなみにママは日記帳にことある出来事をメモしているのだ。別名は悪口日記だ(笑)

 

調査時は普段できていないことが出来てしまったり、出来ないことを「できる!」と言ってしまったりすることがよくあるのだ。人前でカッコつけてしまったりしてしまったり、自分は何でもできるというプライドも残っていたりする。パパはプライドが高いのだから要注意だぞ〜。

・調査員:ひとりでお食事はできますか?

・本人:「うん、できるできる」

・介護者:(私がいつも介添えしてるのにー)

 

こういったことから『該当なし』と判断され、介護サービスを受けられないことがって大いにあるのだ。

 

・介護者:さっき本人はできるって言っていたけど、本当はできないんです。

・調査員:そうですか、わかりました。

 

要介護認定で大切なことは、いつも家で起こっていることを、ウソ偽りなく、全てを調査員に伝えること。普段の状況を正確に伝え、正しく判断してもうらう為にも調査の時は出来るだけ同席をおすすめする。本人のいるその場で否定せず、あとで本人のいないところで伝えても大丈夫だ。じゃないとパパなら怒っちまうからな。当日は、「お客様(調査員)が来るから」と特別に掃除をしたりよそ行きの服を着たり着せないようにするのだ。いつも通りが一番いいんだ。

 

二次判定

認定調査の内容と主治医意見書をもとに、全国一律の判定ソフトにより申請者の介護量を統計的な手法を用いて集計して介護にかかる手間を要介護認定等基準時間を推測して算出、判定を行う。介護認定審査会が要介護認定区分の判定を行う。

 

認定結果の通知

申請から約30日以内に、認定結果と介護保険者証が郵送されます。認定区分は要支援・要介護の7つの分類のいずれか、もしくは非該当(自立)

 

余談だが、まれに親族や家族が心配して介護サービスを利用してもらおうと申請したのにも関わらず、家に第三者を入れたくない、ご近所の目が気になるなどの理由から、ご本人やご家族による過小申告(なんでも出来る、困っていない等と回答)が行われることもあるようだ。介護サービスを利用することは、介護される方はもちろん、介護者の経済的、身体的負担を軽減するもの。人に頼ることは決して恥ずかしくない!ということを忘れるなよ〜。

 

                認定区分について

  (要介護度別に定義はないものの、おおむね次のような状態像が考えられる)

 

・非該当(自立)

歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本的動作を自分で行うことが可能。薬の内服、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態

・要支援1

日常生活上の基本的なことは、ほとんど自分で行うことができ、一部に介助が必要とされる状態。要支援と同じく適切な介護サービスを受けることによって、要介護状態になるのを予防できると考えられている。

 ・要支援2

要支援1よりも、立ち上がりや歩行などの運動機能に若干の低下がみられ、介助が必要とされる状態。

 ・要介護1

自分の身の回りのことはほとんどできるものの、要支援2よりも運動機能や認知機能、思考力や理解力が低下し、部分的に介護が必要とされる状態。

 ・要介護2

要介護1よりも日常生活能力や理解力が低下し、食事や排泄など身の回りのことについても介護が必要とされる状態。

 ・要介護3

食事や排泄などが自分でできなくなり、ほぼ全面的に介護が必要な状態を指す。立ったり歩いたりできないことがあります。

 ・要介護4

要介護3よりも動作能力が低下し、介護なしには日常生活を営むことが困難となる状態。

 ・要介護5

要介護状態において、もっとも重度な状態です。一人で日常を送ることがほぼできず、食事や排泄のほか、着替え、寝返りなごあらゆる場面で介護なしには日常生活を行うことがほぼ不可能な状態。意思の疎通も困難な状態。




              結果に納得できない時は?

 

都道府県に設置されている介護保険審査会の不服の申し立てをする

不服の申し立ては、要介護認定の通知を受け取った翌日から60日以内にしなければならない。市区町村への申請から結果の通知を受け取るまでの期間は、約30日。申請先の市区町村によって異なるので、不安な場合はあらかじめ問い合わせをしておくと良い。

 

区分変更を申請する

区分変更申請は本来は、それまでとは要介護の区分が変わったと判定した段階で行うものですが、実際は要介護認定に納得できない人が多く利用している。要介護認定の申請と同じ方法で、いつでも申請できる。結果は30日以内に通知。ただし、申請したからと言って希望の区分に認定されるとは限らないことを胸にとどめておくのを忘れずに。

 

 

マメール:面談終わったよ。

グミメール:どんな感じなの?パパは答えていた?

マメール:答えなきゃ〜って頑張って質問に答えてたよ。笑ったりもしてね。住所の番地はダメだった。あと、計算もダメダメ。

グミメール:いっぱい質問あったの?

マメール:たくさんあったよ〜。身体機能・起居動作・生活機能・認知機能・精神、行動障害・社会生活への適応に質問が分かれてたよ。

グミメール:そんなにあるんだね!パパも大変だったね〜。

マメール:今見たのを時間おいて答えるのもダメだった。昔のことは覚えててベラベラ喋るのに、5分前のことは忘れてる感じ。

グミメール:なるほどー。いかにも認知症ってやつだね。

マメール:ほんとそう。認定されてもきっときっとたいしたことないだとうな。何もメリットはない感じ。

グミメール:メリットないの??

マメール:ゼロとは言わないけど、認定されても施設に入れるほどは悪くないし、自宅の手すりとかに補助金が出るとか、、杖が安く買えるとか。杖って。

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グミメール:杖、、、!言っている意味がわかったよ。今のパパにはあまり必要ないものばかりかもね。

マメール:杖なんていらない〜お父さんに渡したら凶器だよ(笑)

 

次週に続く


《登場人物》

パパ:61歳 定年退職をし家でぐうたらしている。散歩が好き。ここ最近はテレビを延々と見ている友達のいない(少ない)初老

ママ:60歳 週5でパート。どこにでもいる主婦。なかなか行動に移せない派

グミ:31歳 娘。結婚して旦那と二人暮し。フットワーク軽めの行動派

旦那:32歳 かなり穏やかなタイプ

【伏見家メモ】

9/2 要介護認定の認定調査