第2話 若年性アルツハイマー型認知症パパ VS 介護初心者ムスメ 時々ママ
第2回 プライドの高いパパを病院に連れていくには?
ママメール:お元気?残念なお知らせだけど、お父さんやっぱりボケてる!
グミメール:どストレートね!前より悪くなってるの?
ママメール:う〜ん。そうかもしれない!病院とか行った方がいいかな?
グミメール:え?病院???
ママメール:でも行くの嫌がりそう......
グミメール:もうそんな感じなのね?気になるなら行った方がいいかもよ?でもプライドは高いから、ちょー嫌がりそうだけどね。帰省するから一緒に病院行こうよ!
〜グミ帰省中〜
グミ:ただいま〜
ママ:おかえり〜〜
グミ:あれ?パパは?
ママ:散歩散歩。散歩しかすることないから。
グミ:(笑)ねぇ、最近のパパはどんな感じなの?
ママ:んー。なんか忘れっぽいかな〜。体はとーっても元気なんだけどね!ご飯もたくさん食べるし。
ガチャガチャ、キーィ
パパ:お、グミ帰ってたのか!おかえり。ご飯食べてくか?お母さん今日の夕飯なんだ?
ママ:ほーら、食べ物のことばかりでしょ〜。ほんと食べ物のことしか考えてないのよねぇこの人。
グミ:あ、旦那のお義母さんからメールだ!今度みんなでご飯行きましょーだって。
グミ:行く?
ママ:。。行けないなぁ。お父さんこんな様子だとみんなもびっくりしちゃうでしょ?
グミ:そんなにボケてるかな?まだそこまでいってないんじゃない?
ママ:ん〜〜。ご飯行ってもたくさんこぼすし、今回はやめておこうかな。
グミ:そう、じゃあ私たちは行くけど、ママたちはうまく断っておくね。
ママ:ごめんね、ありがとう。
グミ:大丈夫、気にしないで。ねぇ、病院行ってみようよ!
ママ:。。う〜ん、、ねぇ〜。ふ〜〜ぅ。。
グミ:こういうの早い方がいいと思うの!私時間ないしすぐ行こう!
ママ:行くかなぁ。。?
グミ:行くかな〜?じゃなくて行くの!連れて行くの!!パパの意志で動いていたらどこも行けないよ。
ママ:またあんたはそんな言い方して〜
グミ:だってそうでしょ!私が病院探しておくから(ふんっ)またその時帰省するね!
〜数日後〜
ママ:うまく話してね。私は感情的になってしまうから。。
グミ:とりあえず私に任せて!二人とも病院に行くって感じで〜
ママ:え〜行くかな〜
グミ:まだそんなこと言ってんの?(笑)パパはちょっとボケてるんだからそれを利用して、適当に伝えて外に出る口実作れば大丈夫だから!
ママ:そう〜?もう好きにして〜
グミ:おっけい♡
グミ:パパ〜!健康診断行くよ!
パパ:なんだ急に?お父さんどこも悪くないぞ!
グミ:そうそうどこも悪くないと思うんだけど、60歳過ぎたら一度健康診断に行った方がいいらしいよ〜みんな行ってるんだって〜。パパはもう61歳でしょ!去年行ってないでしょ?まーどうみても元気そうだから何もないと思うんだけど、離れて暮らしてるから念のためよ!あ、ママも健康診断受けるからね〜
ママ:はいはい、お父さんとりあえず行ってみましょ〜
パパ:ん、そうかぁ。俺は悪くねぇぞ。。
〜車で病院へレッツゴー〜
パパ:なんか病院て暗いよな、やだな〜
グミ:ここ昔からあるよね!建物が古いから余計にね。なんだかんだ近いに越したことないよね。
パパ:あぁー。あとどんだけ待つんだよ〜
ママ:ほーーら始まった!今来たばっかりでしょ〜すぐ呼ばれるわよ。静かにしててってば〜
グミ:ね〜終わったらさ、ドトール寄って帰ろうよ〜
ママ:あ、いいね!お父さんドトール好きだしね〜
パパ:そうか〜?(笑)そんなことねぇぞぉ
ママ:ふふ〜
受付嬢:伏見さん〜3番の診察室へお入りください〜
パパ:あ〜あ、呼ばれちゃったよ〜やだな〜
グミ:すぐ終わるよ!いこいこ〜
先生:はい、こんにちは伏見さん!精神科医のooです。少し質門させていただきますね〜まずはお父様から
パパ:俺はどこも悪くねえよ
先生:はい、そうですね!とても元気そうですね!ではさっそく、今日は何月何日ですか?
パパ:・・。え?今日か?わかんねぇな、2月かな?
ママ:ふぅ〜〜〜〜。
グミ:(おっ、、まじかよ)
*正解は8月22日
先生:はい、次は今私たちがいるところはどこですか?
パパ:なんだよ!ここだよ!ここにいるじゃないか!
先生:そうですね、ここにいますよね。ここはどこですか?お家ですか?病院ですか?外ですか?
パパ:なんだよ、わかんねぇな、ここでいいんだよ。
ママ:。。。
グミ:。。。
【ちょいメモ】
先生の質問はとても簡単な質問ばかりだった。でもお父さんは半分くらい、変な回答をするかわからないと言っていた。でも簡単な質問というのはわかるのか、それがバカにされていると思ったのか、終始イライラしていた。
【検査してもらった病院】
物忘れ相談外来というのがあり、完全予約制。週に一日、午前中のみ受付というとてもちいさな窓口。
受付嬢:お会計が8,890円ですぅ〜
先生:特に大きな問題はないですが気になるようでしたら、脳神経外科にも言ってみてください。脳の検査も大事です。
パパ:あのインチキ医者なんなんだ!あいつは信用できねぇなーどこも悪くないのによ〜(ぶつぶつぶつ)
グミ:あんな感じなのに問題ないの?そして高かったね。
ママ:ほんとよね〜まぁでも大丈夫大丈夫よ。
グミ:(...日にちをまたぐと大変そうだな)
グミ:お母さん、近所に脳神経外科あったよね?今から行こうよ!
ママ:え?今から?
グミ:そう!行くよ!
パパ:おい、ドドール行くんだろ?
グミ:(笑)
ママ:ほんと好きよね〜(笑)
〜車で脳神経外科へレッツゴー〜
パパ:なんだよ〜また待つのかよ〜
グミ:すぐだよ!すぐすぐ♪
パパ:。。。
受付嬢:伏見さん〜奥の診察室へお入りください〜
グミ:じゃあ、先にパパから入って!この後、ママが呼ばれるから。
パパ:なんだよ。一人で行くのかよぉ。
ママ:。。。
ママ:大丈夫かな?
グミ:何が?
ママ:何がって言われたらなんだろ?(笑)
グミ:えぇ〜(笑)なにそれ〜!
ママ:まあ大丈夫か!
ガチャっ
グミ:お〜終わったの〜早いじゃん!ママもさっき終わったよ〜どうだった〜?
パパ:楽勝よ〜♪
ママ:なぁにそれ!ふふふ。(笑)
受付嬢:伏見さん〜お会計が7,300円になりますぅ〜
ママ:は〜い。(ふぅ〜今日は急な出費だらけだなぁ)
【病院情報:脳神経外科】
もの忘れが気になる方を対象に、質問により検査やMRI画像を解析することによって脳の萎縮度の状態を評価してくれる。また9項目の質問に答えてその結果から患者の認知機能の状態を評価する長谷式認知症スケールという認知症検査を行う。検査時間も10分程度でとってもGOOD!
【ちょいメモ】
・ちなみにパパの検査結果は10/30点
・海馬の萎縮は明らかではありません。
・ADに特徴的な萎縮は認められない。
・所見:【脳MRI】 T2、FLAIR法にて大脳白質に点状、斑状の等信号を軽度に認めます。加齢にともなう、非特異的白質病変を示し、あまり病的意義はありません。
つまり、ってことは、加齢に伴う変化。
ですって〜〜
UKANO仙人より
「認知症ねっと」 って知ってるかな? 5分でできる認知機能の簡単セルフチェックができるぞ! もちろん無料だ!無料好きだろ? https://info.ninchisho.net/check/ch20(この診断結果はあくまでも参考です)
〜帰宅〜
グミ:ねねねねねー!
グミ:お父さんやばいんだけど、病院でね今日は何月何日ですかって質問されて、2月って言ったんだけどぉぉぉぉぉお!!
旦那:え〜っと今日は8月か!...それって痴呆症なの?
グミ:なんかね、まあまあボケてるのに特に異常はないらしいのよ。念のため脳も調べた方がいいってそのまま脳神経外科にいって見てもらったんだけど、特に異常はないらしい。老化なのかな?
グミ:あと、今痴呆症って言わないから!今は認知症に名称変更したんだよ。
旦那:あ、そうなんだ〜。ま〜何もないならよかったね!
グミ:う、ん〜だね(こいつお気楽だなぁ)
UKANO仙人より
物忘れと認知症の違いについて簡単に説明しよう!記憶には、1,覚える→2,保持する→3,引き出す、という三つの過程がある。加齢による物忘れは3の引き出す機能が衰えることで起こる。頭の中にある膨大な情報から的確な内容を呼び出せなくなるのだ。ただし記憶自体は残っているので、きっかけがあれば「あ、そうだった!」と思い出せる。しかし、認知症は、1,2にも障害が起こるので、記憶自体がなくなる。体験を忘れると認知症の可能性が高くなるのだ。
【物忘れと認知症の違い】
次週に続く
《登場人物》
パパ:61歳 定年退職をし家でぐうたらしている。散歩が好き。ここ最近はテレビを延々と見ている友達のいない(少ない)初老
ママ:60歳 週5でパート。どこにでもいる主婦。なかなか行動に移せない派
グミ:31歳 娘。結婚して旦那と二人暮し。フットワーク軽めの行動派
旦那:32歳 かなり穏やかなタイプ
【伏見家メモ】
8/22 物忘れ相談外来
8/22 脳神経外科 MRI 長谷川式認知症スケール(認知症検査)