第5話 若年性アルツハイマー型認知症パパ VS 介護初心者ムスメ 時々マ

f:id:UKANO:20180627134534j:plain第5回認知症による尿失禁について

グミ:ただいま〜!

ママ:あれ?ぐみ??どうしたの??

グミ:この土日予定なかったから、来ちゃった!

ママ:えーもう来るなら前もって言ってよー何にもないよ〜。

グミ:さっき決めたんだも〜ん。

ママ:あ、トイレは2階の使ってね!

グミ:ん?1階の使っちゃダメなの?

ママ:うーん、最近お父さんトイレうまく使えないのよ。。

グミ:汚しちゃうってこと?

ママ:うん。トイレ近いし、うまく便器使えなくて一日中トイレ掃除してるの私。

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グミ:あらら、そうなの!?じゃあそろそろオムツ、、、デビュー?

ママ:むりむりむり〜!絶対履いてくれないよ!

グミ:試してもないくせに?

ママ:もーあんたそういうのやめなさいって

グミ:ねぇお正月ってチビ達来るの?

ママ:さぁ〜どうなんでしょうね〜おせちは予約したけど。

グミ:お正月くらい楽しみなよ〜そんなに会えないんだから二人だってわかってるよ

 

ちょいメモ

グミには弟がいる。隣の県に住んでいて遠いような近いような遠い距離。弟は行動力がない!発言もできない!何考えているかよくわからないという使えない存在だ。だが3歳のかわいいチビがいる。

 


ママ:でも来てもらってもお父さんこんなだしびっくりしちゃうでしょ。

グミ:隠すつもり?隠すんじゃなくて、今の現状をみてもらいなよ〜家族なんだからさ。

ママ:、、、。そうだね。

グミ:パパの現状を知って、どう思って、どう動くかはあの二人次第だけどね。

ママ:そうね

グミ:まー行動力のない二人だとは思うけどね

パパ:おーぐみ来てたのか!ご飯食べてくだろ?

グミ:うーん、夕飯だけ食べて帰るよ!

パパ:そうか、ゆっくりしていきなね〜

グミ:うん!ありがとう

 

UKANO仙人より

認知症による尿失禁と排尿障害について

認知症の症状が進むと、「尿失禁」の症状が出る方が多くいる。(尿を漏らしてしまう症状を尿失禁という。)尿失禁の種類は加齢や病気によって様々ある。認知症で現れる尿失禁は「機能性尿失禁」と呼ばれるものが多い。

 

腹圧性尿失禁

・骨盤底筋が緩むことにより咳やくしゃみ、スポーツなどでお腹に力が入った時に起こる。

・骨盤内で子宮、膀胱が下がり、時にはこぶのように臓器が陰部より出ている感じがある。

 

切迫性尿失禁

・トイレに行きたいと感じたら漏れてしまう。

・尿意を感じてから少しは我慢できるのだが、下着を下ろしているうちに漏れてしまう。

・冷たい水を使った時や水の音を聞いた時に、急に尿意を感じる

 

溢流性尿失禁

・排尿開始までに時間がかかる。

・排尿に勢いがなく、ちょろちょろしか出ない。

・残尿感がある。夜もトイレが近かったり、漏れることもある。

・尿意がはっきりしない。

・お腹に力を入れないと出ない。

・尿が出にくいし、漏れることもある。

 

 

頻尿

・トイレが近い。

・夜になったらトイレが近く、眠れなくて困る。

・緊張したり、外出するとトイレが近くなる。

 

 

機能性尿失禁(ADL低下による)

・トイレまで間に合わない。

・排尿動作がゆっくりで時間がかかるため、結果的に尿失禁となってしまう。

 

 

機能性尿失禁(認知症によるもの)

・トイレと違う場所で排泄する。

・トイレの場所がわからなくなる。

・排泄行為自体を理解できない場合もある。

・膀胱がいっぱいでも、その感覚が認識できない。

・見ると汚れているが、本人は気がつかない

・お漏らしを認めない

・オムツをとってしまう

・便をこねてしまう

 

 

尿失禁への対策

トイレの表示をわかりやすく!大きな字で「トイレ」とドアに貼っておくなど、一目でトイレとわかる工夫をすると良い。文字に対する認識も薄れている場合は、便器の絵を貼っておくのも効果的。

 

夜間は明かりをつけておく!薄暗い廊下などでは距離や場所を認識づらくなる。トイレへ向かう道を明るくしておくことが大切。トイレのドアや便座を開けておくのもよい方法。つまずく恐れもあるものなどは片付けておくこと。

 

トイレのサインを見逃さない!落ち着かずソワソワするなど、何かしらのサインがあるはず。そのサインを見極め、タイミングよくトイレへ誘導できるよう観察も大事なのだ。

 

タイミングを見計らって声をかける!トイレに行きたい感覚がわからなくなっている場合は、食事の後や水分摂取した数時間後など、生活リズムに合わせてトイレへ誘導する。ただし、本人は尿意がわからず、誘っても「行きたくない」ということがよくある。そんな時は「行ったらでるかもしれないよ」などと優しく誘うことがポイントだ。それでも嫌がる場合は、無理強いせずに諦めること。余計に行かなくなってしまうぞ。

 

防水対策をする!トイレではないところをトイレと認識し、いつも同じところで失禁してしまう場合には、あらかじめ防水シートを敷いたり、*ポータブルトイレを設置したりしておくと良い。

*ポータブルトイレは特定福祉用具として、購入時には介護保険が適用される。

 

脱ぎ着しやすい服を選ぶ!本人が慣れた動作で脱ぎ着できる服を選ぶこと。またボタンやファスナーより、ウエストがゴムになっているものなども良い。

 

対応のポイント

絶対に怒らないこと!!トイレの失敗は本人にとって自尊心を傷つける大きな出来事。羞恥心かた汚れた下着を隠す方も多いのだ。しかし、そこで怒ったりせずに優しい対応をすることが大切。まるべく深刻な雰囲気にならないように気をつけ、本人の自尊心を傷つけないコミュニケーションを心がけること。これは介護者にとっては大きな負担でストレスになるかもしれないし、優しくなれないかもしれない。だが、全て困らせるためにわざとやっているわけではないということを忘れないでほしい。

 

プロの手を借りる

日々続く排泄ケアは、介護者にとって大きな負担になる。排泄というデリケートな問題を外に相談するのをためらう方も多いのだ。介護者自身が倒れてしまう前に、ショートステイを利用したり、ケアマネージャーに相談するなど、プロの手を借りることも考えてみるのも大切だ。

 

トイレは2階を使ってね!」とママに言われたもんだから、1階のトイレが気になってしょうがない。グミはママが居ない隙に1階のトイレのドアを開けた。きちんと掃除をしているせいか特に汚れもなく、ひどい臭いもなかった。けれど、ほんとずっとトイレ掃除しているんだなぁと。いつもは棚にしまっている掃除用具が丸出しで何個も足もとに置いてあった。毎日何回掃除をしているんだろうと思うと心が締め付けられる。そんなママもいつの間にか61歳。

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次週に続く

 

《登場人物》

パパ:62歳 定年退職をし家でぐうたらしている。散歩が好き。ここ最近はテレビを延々と見ている友達のいない(少ない)初老

ママ:61歳 週5でパート。どこにでもいる主婦。なかなか行動に移せない派

グミ:32歳 娘。結婚して旦那と二人暮し。フットワーク軽めの行動派

旦那:33歳 かなり穏やかなタイプ

   :30歳 発言、行動できないタイプ。隣の県に住んでいて3歳の男の子のパパ

第4話 若年性アルツハイマー型認知症パパ VS 介護初心者ムスメ

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第3回 高齢者のうつ病認知症の違いについて

 

グミメール:ねぇ!もうすぐママ誕生日だけど何欲しい?

マメール:気にしてくれるだけで泣けてくるよ。お父さんに言ったら私の誕生日忘れたって言ったのよ!!

グミメール:聞いたんだ!!!

マメール:結婚記念日だってスルーされたんだから。

グミメール:ママって結構そういうの気にするタイプなのね(笑)

マメール:一応聞いてみただけよ。こないだねお父さん病院で健康診断受けてきたの。

グミメール:そうなんだ。いつもの病院で?

マメール:そうそう。あの薄暗いところね。結果聞いたら笑っちゃったんだけど。

グミメール:どうだったの?

マメール:健康診断の結果はどっこも悪いとこ無し!内臓も完璧って言われちゃったわ!

グミメール:えーー!悪いところないの?タバコも吸うし、お酒も飲むのに。

マメール:そうなのよ〜前回より良くなってるみたいですよ〜なんて言うんだよ。だから良くなるってことは認知症じゃないのかも。そんな訳で、介護保険は保留となりました。

グミメール:えーー!健康って診断されたってことなのね。

マメール:健康でいてくれるのはいいけど、あれが健康なのかしらねぇとも思ってしまうよ。検診も2ヶ月後になったし、私にはどう見ても認知症に見えるんだけどな〜

グミメール:体はいたって健康ってことね。でもその結果だとなにも変わらないんだねぇ。

マメール:様子を見守ると言うことで終わったね。私会社休んだのにーー!

グミメール:そうだね。また病院にいって診断の繰り返しなのかな?

マメール:なんだかんだ病院は定期的に行くのよ〜。薬もらったり進行状況調べるためにね。

グミメール:進行って認知症じゃないのかな〜?

マメール認知症アルツハイマーか、鬱か。

グミメール:いろいろあるのね。

マメール:薬を使うとリスクも少なからずはあるからなるべくはっきりして欲しいよね。

グミメール:そうだね。

マメール:それに先生の前だとよく喋るんだよ。なんだか元気アピールがすごいのよ。

グミメール:パパも必死なのね。

                UKANO仙人より

     高齢者のうつ病認知症の違いや見分け方についてお伝えしよう


高齢者のうつ病認知症と密接な関係があり、両者を区別するには専門家でも難しいと言われているんだ。高齢者のうつ病のことを「老人性うつ病」と呼ぶ。この老人性うつ病は典型的なうつ病と症状が異なる場合がある。

 

老人性うつ病の主な特徴

・意欲や集中力の低下が見られることが多い

・疲労感、頭痛やめまい、不眠、食欲不振、痛み、しびれなどの身体的な不調を訴える

・検査を受けても特に異常が見当たらず直接的な原因がわからなく頭を抱えることもある

・不安や焦燥感の訴え、落ち着きがなくなる

・趣味や好きだったことに対し興味を示さなくなる

・出不精になる  

・「症状がそろってないうつ病」の頻度が高く見逃されやすい  など

 

老人性うつ病の要因

・統計的には男性より女性の方が発症率が高い

・配偶者との死別

・ペットとの死別

・自身の退職や子供の独立や離婚

・家族や友人とのいさかい

・健康状態の低下

・家族の介護

・経済的な問題  など

 

老人性うつ病認知症の違い

高齢者のうつ病は、認知症と間違われることがあります。「物覚えが悪くなった」「物忘れが増えた」など記憶力に関する訴えがうつ病の症状である可能性もあるのだ。特に65〜75歳の高齢者でその傾向が強く、認知症外来を受診する方の5人に1人はうつ病だと言われているのだ。

 

老人性うつ病認知症の見分ける目安

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ただし、老人性うつ病認知症の症状は共通点も多く、併発している可能性も高いことから、見分けるのは専門医でも容易ではない。また、認知症だけでなく、脳卒中やパー謹慎病併発している場合もある。



 

マメール:今朝お父さんが警察に捕まりました。

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グミメール:え?どういうこと?警察に捕まったの!!!?

マメール:そう。捕まった。

グミメール:え?どうしたの?パパ何したの?

マメール:散歩してて迷子になったのよ。

グミメール:。。。それ保護じゃない???

マメール:んーまあ〜そうとも言うね。

グミメール:捕まったって言わないでよ〜逮捕かと思ったよ!びっくりしたぁあ!

 

                  〜朝8時〜

 

ママ:本当にすみません〜!ねぇお父さん!何やってるの!!!

パパ:ん?散歩してるだけだよ?

ママ:なんでこんなところまで来てるのよ〜〜

パパ:なんだ?散歩だよ。

ママ:散歩でこんなとここないでしょ〜!父さん迷子になってるんだよ!

パパ:迷子〜?誰が?

ママ:お父さんでしょ!

パパ:俺は迷子になってないよ〜お前どうしたんだ〜こんなところに?

ママ:もーお父さん〜。なんでこんなところにいるのよ〜ってここどこだかわかる?

パパ:どこだ?どこでもいいだろ。

ママ:ここ、警察署だよ!

パパ:・・え?警察????(目を見開く)

ママ:お父さんが迷子になってるって連絡きたんだよ。

パパ:??そうかぁ???

ママ:もう〜(はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜。。。。)早く帰るよ。

警察官:それではお父さん気をつけて帰ってね!

パパ:おう!

ママ:おう!じゃないでしょ〜本当にありがとうございました(ペコペコペコ)


ちょいメモ

パパはとても早起きだ。ママは9時からパートだからそれなりに起きてはいるけど、パパは起きて散歩に出かけるのが日課だ。この日は、いつもと違うルートまで歩いてしまったようで、帰り道がわからないのか同じ場所をウロウログルグルしていたらしい。その様子を見かけたご婦人が察してくれたようで、すぐに警察に連絡をしてくれた。61歳の迷子だ。警察から連絡をもらって駆けつけたママはパートを遅刻した。



次週に続く

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第3話 若年性アルツハイマー型認知症パパ VS 介護初心者ムスメ

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第3回 要介護認定を受けるにはどうしたらいいの?

 

ママ:今日病院に行ってきたんだけどね、次の予約が一ヶ月後だよ〜外来と違って急がないのかね〜?

グミ:結構先だね!それだけ患者さんがいるってことなのかな〜。

ママ:お父さんね病院に行く前に、日にちを一生懸命覚えて行ったのよ。この前は覚えられなかったからね(笑)

グミ:えーパパかわいいね。なんか感動しちゃうね。前回答えられなかったってことはわかってるってことなのかなぁ?

ママ:そうみたいね。でもそこまでしないとわからないってことよね〜

グミ:せめての現状維持ってことよね〜次の予定は?

ママ:次は健康診断するよ。あとね市役所の担当の方から質問を受けて介護の等級が決まるんだって!まだヘルパーさんをお願いするほどではないけどね。毎年面接があるんだって。

グミ要介護認定ってやつだよね。面接の時は直前で日にち覚えるやつやっちゃダメだよ。等級結果が狂っちゃうからね!!

ママ:ほんとよね〜お父さんに日にち聞かれたら嘘でも教えようかしら。

グミ:ははは、それもダメ(笑)

ママ:結果によっては何も変わらないってことね。悪くならない薬ないのかなぁ。

グミ:んー。ないんじゃない?現状維持か若年性だから悪くなる一方だと思うよ。

ママ:ゆっくり進めばいいね。

グミ:そうだね。それにママも無理しないでね。

ママ:意外に強いから大丈夫。

グミ:強いって行ったって60歳なんだからね。

ママ:大丈夫よ!私にはキム様がいるから。元気の源なの!

グミ:。。。キム様って誰?

ママ:えーーー知らないの?キム様だよ!キム◯ヒョン様だよ!!!!!!

グミ:知らないー!しかもキム代表みたいな言い方しないで〜キムって名前山ほどいるから〜!!!!! 

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                UKANO仙人より

           要介護認定について詳しく説明しよう

 

①要介護認定を受けるには、まず自身の居住する市区町村へ申請を行うために電話などで相談。(直接申請窓口に行ってもOK)

申請窓口は各役所に設置されており、介護保険課などが担当だぞ。

 

介護保険要介護認定・要支援進呈書申請書という長〜い名前の「申請書」が必要だ。

この申請書は直接介護保険課窓口で受け取るか、市区町村のホームページからもダウンロードできるぞ。

 

③年齢が40〜64歳までの方は医療保険被保険者証」の提出が必要。(パパはこれだな!)年齢が65歳以上の方は「介護保健被保険者証」の提出が必要。

 

④申請に本人が窓口に行くことができない場合には、家族による申請も可能だ。心配するな。郵便による受付も行われているので、必要に応じて各自治体へ確認するべし。

 

「主治医の意見書」が必要だ。

・主治医がいる→申請書に主治医の氏名や病院名、連絡先などの必要事項を提出すれば、市区町村が主治医に意見書の依頼をしてくれるのだ。ちなみに費用はかからないぞ。

 ・主治医がいない→市区町村が指定する医師の下で診察を受け、その後申請書に医師の名前、病院名、連絡先などを記入するのだ。

 

「印鑑」も必要。

 

⑦提出したら、「介護保険資格者証」を受け取り完了。


インターネットに疎いママは、市役所に電話をかけやり方を聞いた。書類を市役所にもらいに行ったり、書類が揃ってはそれらを提出するため、パートを2日休んだ。




                  〜1ヶ月後〜



マメール:今日介護認定の面談の日です。

グミメール:申請お疲れ様〜ありがとうね。

マメール:どうにか私にもできた。今日は市役所の役員さんが家まで来て面接してくれるんだ〜。どうなることやら。

グミメール:家まで来てくれるのはありがたいね。

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                 UKANO仙人より

           要介護認定の流れについて詳しく説明しよう

 

認定調査(一次判定)

一次判定に向けて市区町村から、認定調査の日程連絡があります。そこで希望の日時を決めるのだ。認定調査とは要介護認定の申請後に行われ、調査員(市役所の担当職員、もしくは委託を受けたケアマネージャー)がご自宅や入院先などに訪問し、ご本人の心身の状況や認知機能などに関する確認をするのだ。認定調査には認定調査票(全国共通)が用いられ、本人や家族からの聞き取りや動作確認を行うのだ。また、調査員が重要と考えたことや調査項目では表せない状況(具体的な介護の頻度など)、選択した根拠などは、特記事項に記入される。

 

・(本人へ)生年月日はいつですか?名前を教えていただけますか?

・(ご家族へ)大声を出すことはありますか?夜中に徘徊はしますか?

 

普段から日常の様子をメモしておくといいだろう。ちなみにママは日記帳にことある出来事をメモしているのだ。別名は悪口日記だ(笑)

 

調査時は普段できていないことが出来てしまったり、出来ないことを「できる!」と言ってしまったりすることがよくあるのだ。人前でカッコつけてしまったりしてしまったり、自分は何でもできるというプライドも残っていたりする。パパはプライドが高いのだから要注意だぞ〜。

・調査員:ひとりでお食事はできますか?

・本人:「うん、できるできる」

・介護者:(私がいつも介添えしてるのにー)

 

こういったことから『該当なし』と判断され、介護サービスを受けられないことがって大いにあるのだ。

 

・介護者:さっき本人はできるって言っていたけど、本当はできないんです。

・調査員:そうですか、わかりました。

 

要介護認定で大切なことは、いつも家で起こっていることを、ウソ偽りなく、全てを調査員に伝えること。普段の状況を正確に伝え、正しく判断してもうらう為にも調査の時は出来るだけ同席をおすすめする。本人のいるその場で否定せず、あとで本人のいないところで伝えても大丈夫だ。じゃないとパパなら怒っちまうからな。当日は、「お客様(調査員)が来るから」と特別に掃除をしたりよそ行きの服を着たり着せないようにするのだ。いつも通りが一番いいんだ。

 

二次判定

認定調査の内容と主治医意見書をもとに、全国一律の判定ソフトにより申請者の介護量を統計的な手法を用いて集計して介護にかかる手間を要介護認定等基準時間を推測して算出、判定を行う。介護認定審査会が要介護認定区分の判定を行う。

 

認定結果の通知

申請から約30日以内に、認定結果と介護保険者証が郵送されます。認定区分は要支援・要介護の7つの分類のいずれか、もしくは非該当(自立)

 

余談だが、まれに親族や家族が心配して介護サービスを利用してもらおうと申請したのにも関わらず、家に第三者を入れたくない、ご近所の目が気になるなどの理由から、ご本人やご家族による過小申告(なんでも出来る、困っていない等と回答)が行われることもあるようだ。介護サービスを利用することは、介護される方はもちろん、介護者の経済的、身体的負担を軽減するもの。人に頼ることは決して恥ずかしくない!ということを忘れるなよ〜。

 

                認定区分について

  (要介護度別に定義はないものの、おおむね次のような状態像が考えられる)

 

・非該当(自立)

歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本的動作を自分で行うことが可能。薬の内服、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態

・要支援1

日常生活上の基本的なことは、ほとんど自分で行うことができ、一部に介助が必要とされる状態。要支援と同じく適切な介護サービスを受けることによって、要介護状態になるのを予防できると考えられている。

 ・要支援2

要支援1よりも、立ち上がりや歩行などの運動機能に若干の低下がみられ、介助が必要とされる状態。

 ・要介護1

自分の身の回りのことはほとんどできるものの、要支援2よりも運動機能や認知機能、思考力や理解力が低下し、部分的に介護が必要とされる状態。

 ・要介護2

要介護1よりも日常生活能力や理解力が低下し、食事や排泄など身の回りのことについても介護が必要とされる状態。

 ・要介護3

食事や排泄などが自分でできなくなり、ほぼ全面的に介護が必要な状態を指す。立ったり歩いたりできないことがあります。

 ・要介護4

要介護3よりも動作能力が低下し、介護なしには日常生活を営むことが困難となる状態。

 ・要介護5

要介護状態において、もっとも重度な状態です。一人で日常を送ることがほぼできず、食事や排泄のほか、着替え、寝返りなごあらゆる場面で介護なしには日常生活を行うことがほぼ不可能な状態。意思の疎通も困難な状態。




              結果に納得できない時は?

 

都道府県に設置されている介護保険審査会の不服の申し立てをする

不服の申し立ては、要介護認定の通知を受け取った翌日から60日以内にしなければならない。市区町村への申請から結果の通知を受け取るまでの期間は、約30日。申請先の市区町村によって異なるので、不安な場合はあらかじめ問い合わせをしておくと良い。

 

区分変更を申請する

区分変更申請は本来は、それまでとは要介護の区分が変わったと判定した段階で行うものですが、実際は要介護認定に納得できない人が多く利用している。要介護認定の申請と同じ方法で、いつでも申請できる。結果は30日以内に通知。ただし、申請したからと言って希望の区分に認定されるとは限らないことを胸にとどめておくのを忘れずに。

 

 

マメール:面談終わったよ。

グミメール:どんな感じなの?パパは答えていた?

マメール:答えなきゃ〜って頑張って質問に答えてたよ。笑ったりもしてね。住所の番地はダメだった。あと、計算もダメダメ。

グミメール:いっぱい質問あったの?

マメール:たくさんあったよ〜。身体機能・起居動作・生活機能・認知機能・精神、行動障害・社会生活への適応に質問が分かれてたよ。

グミメール:そんなにあるんだね!パパも大変だったね〜。

マメール:今見たのを時間おいて答えるのもダメだった。昔のことは覚えててベラベラ喋るのに、5分前のことは忘れてる感じ。

グミメール:なるほどー。いかにも認知症ってやつだね。

マメール:ほんとそう。認定されてもきっときっとたいしたことないだとうな。何もメリットはない感じ。

グミメール:メリットないの??

マメール:ゼロとは言わないけど、認定されても施設に入れるほどは悪くないし、自宅の手すりとかに補助金が出るとか、、杖が安く買えるとか。杖って。

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グミメール:杖、、、!言っている意味がわかったよ。今のパパにはあまり必要ないものばかりかもね。

マメール:杖なんていらない〜お父さんに渡したら凶器だよ(笑)

 

次週に続く


《登場人物》

パパ:61歳 定年退職をし家でぐうたらしている。散歩が好き。ここ最近はテレビを延々と見ている友達のいない(少ない)初老

ママ:60歳 週5でパート。どこにでもいる主婦。なかなか行動に移せない派

グミ:31歳 娘。結婚して旦那と二人暮し。フットワーク軽めの行動派

旦那:32歳 かなり穏やかなタイプ

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第2話 若年性アルツハイマー型認知症パパ VS 介護初心者ムスメ 時々ママ

第2回 プライドの高いパパを病院に連れていくには?

マメール:お元気?残念なお知らせだけど、お父さんやっぱりボケてる!

グミメール:どストレートね!前より悪くなってるの?

マメール:う〜ん。そうかもしれない!病院とか行った方がいいかな?

グミメール:え?病院???

マメール:でも行くの嫌がりそう......

グミメール:もうそんな感じなのね?気になるなら行った方がいいかもよ?でもプライドは高いから、ちょー嫌がりそうだけどね。帰省するから一緒に病院行こうよ!

〜グミ帰省中〜

グミ:ただいま〜

ママ:おかえり〜〜

グミ:あれ?パパは?

ママ:散歩散歩。散歩しかすることないから。

グミ:(笑)ねぇ、最近のパパはどんな感じなの?

ママ:んー。なんか忘れっぽいかな〜。体はとーっても元気なんだけどね!ご飯もたくさん食べるし。

ガチャガチャ、キーィ

パパ:お、グミ帰ってたのか!おかえり。ご飯食べてくか?お母さん今日の夕飯なんだ?

ママ:ほーら、食べ物のことばかりでしょ〜。ほんと食べ物のことしか考えてないのよねぇこの人。

グミ:あ、旦那のお義母さんからメールだ!今度みんなでご飯行きましょーだって。

グミ:行く?

ママ:。。行けないなぁ。お父さんこんな様子だとみんなもびっくりしちゃうでしょ?

グミ:そんなにボケてるかな?まだそこまでいってないんじゃない?

ママ:ん〜〜。ご飯行ってもたくさんこぼすし、今回はやめておこうかな。

グミ:そう、じゃあ私たちは行くけど、ママたちはうまく断っておくね。

ママ:ごめんね、ありがとう。

グミ:大丈夫、気にしないで。ねぇ、病院行ってみようよ!

ママ:。。う〜ん、、ねぇ〜。ふ〜〜ぅ。。

グミ:こういうの早い方がいいと思うの!私時間ないしすぐ行こう!

ママ:行くかなぁ。。?

グミ:行くかな〜?じゃなくて行くの!連れて行くの!!パパの意志で動いていたらどこも行けないよ。

ママ:またあんたはそんな言い方して〜

グミ:だってそうでしょ!私が病院探しておくから(ふんっ)またその時帰省するね!

〜数日後〜

ママ:うまく話してね。私は感情的になってしまうから。。

グミ:とりあえず私に任せて!二人とも病院に行くって感じで〜

ママ:え〜行くかな〜

グミ:まだそんなこと言ってんの?(笑)パパはちょっとボケてるんだからそれを利用して、適当に伝えて外に出る口実作れば大丈夫だから!

ママ:そう〜?もう好きにして〜

グミ:おっけい♡

グミ:パパ〜!健康診断行くよ!

パパ:なんだ急に?お父さんどこも悪くないぞ!

グミ:そうそうどこも悪くないと思うんだけど、60歳過ぎたら一度健康診断に行った方がいいらしいよ〜みんな行ってるんだって〜。パパはもう61歳でしょ!去年行ってないでしょ?まーどうみても元気そうだから何もないと思うんだけど、離れて暮らしてるから念のためよ!あ、ママも健康診断受けるからね〜

ママ:はいはい、お父さんとりあえず行ってみましょ〜

パパ:ん、そうかぁ。俺は悪くねぇぞ。。

〜車で病院へレッツゴー〜

パパなんか病院て暗いよな、やだな〜

グミ:ここ昔からあるよね!建物が古いから余計にね。なんだかんだ近いに越したことないよね。

パパ:あぁー。あとどんだけ待つんだよ〜

ママ:ほーーら始まった!今来たばっかりでしょ〜すぐ呼ばれるわよ。静かにしててってば〜

グミ:ね〜終わったらさ、ドトール寄って帰ろうよ〜

ママ:あ、いいね!お父さんドトール好きだしね〜

パパ:そうか〜?(笑)そんなことねぇぞぉ

ママ:ふふ〜

受付嬢:伏見さん〜3番の診察室へお入りください〜

パパ:あ〜あ、呼ばれちゃったよ〜やだな〜

グミ:すぐ終わるよ!いこいこ〜

先生:はい、こんにちは伏見さん!精神科医のooです。少し質門させていただきますね〜まずはお父様から

パパ:俺はどこも悪くねえよ

先生:はい、そうですね!とても元気そうですね!ではさっそく、今日は何月何日ですか?

パパ:・・。え?今日か?わかんねぇな、2月かな?

 

ママ:ふぅ〜〜〜〜。

グミ:(おっ、、まじかよ)

*正解は8月22日

 

先生:はい、次は今私たちがいるところはどこですか?

パパ:なんだよ!ここだよ!ここにいるじゃないか!

先生:そうですね、ここにいますよね。ここはどこですか?お家ですか?病院ですか?外ですか?

パパ:なんだよ、わかんねぇな、ここでいいんだよ。

 

ママ:。。。

グミ:。。。

 

【ちょいメモ】

先生の質問はとても簡単な質問ばかりだった。でもお父さんは半分くらい、変な回答をするかわからないと言っていた。でも簡単な質問というのはわかるのか、それがバカにされていると思ったのか、終始イライラしていた。

【検査してもらった病院】

物忘れ相談外来というのがあり、完全予約制。週に一日、午前中のみ受付というとてもちいさな窓口。

 

受付嬢:お会計が8,890円ですぅ〜

先生:特に大きな問題はないですが気になるようでしたら、脳神経外科にも言ってみてください。脳の検査も大事です。

パパ:あのインチキ医者なんなんだ!あいつは信用できねぇなーどこも悪くないのによ〜(ぶつぶつぶつ)

グミ:あんな感じなのに問題ないの?そして高かったね。

ママ:ほんとよね〜まぁでも大丈夫大丈夫よ。

グミ:(...日にちをまたぐと大変そうだな) 

グミ:お母さん、近所に脳神経外科あったよね?今から行こうよ!

ママ:え?今から?

グミそう!行くよ!

パパ:おい、ドドール行くんだろ?

グミ:(笑)

 

ママ:ほんと好きよね〜(笑)

〜車で脳神経外科へレッツゴー〜

パパ:なんだよ〜また待つのかよ〜

グミ:すぐだよ!すぐすぐ♪

パパ:。。。

受付嬢:伏見さん〜奥の診察室へお入りください〜

グミ:じゃあ、先にパパから入って!この後、ママが呼ばれるから。

パパ:なんだよ。一人で行くのかよぉ。

 

ママ:。。。

ママ:大丈夫かな?

グミ:何が?

ママ:何がって言われたらなんだろ?(笑)

グミ:えぇ〜(笑)なにそれ〜!

ママ:まあ大丈夫か!

ガチャっ

グミ:お〜終わったの〜早いじゃん!ママもさっき終わったよ〜どうだった〜?

パパ:楽勝よ〜♪

ママ:なぁにそれ!ふふふ。(笑)

受付嬢:伏見さん〜お会計が7,300円になりますぅ〜

ママ:は〜い。(ふぅ〜今日は急な出費だらけだなぁ)

 

【病院情報:脳神経外科

もの忘れが気になる方を対象に、質問により検査やMRI画像を解析することによって脳の萎縮度の状態を評価してくれる。また9項目の質問に答えてその結果から患者の認知機能の状態を評価する長谷式認知症スケールという認知症検査を行う。検査時間も10分程度でとってもGOOD!

 

【ちょいメモ】

・ちなみにパパの検査結果は10/30点 

・海馬の萎縮は明らかではありません。

・ADに特徴的な萎縮は認められない。

・所見:【脳MRI T2、FLAIR法にて大脳白質に点状、斑状の等信号を軽度に認めます。加齢にともなう、非特異的白質病変を示し、あまり病的意義はありません。

つまり、ってことは、加齢に伴う変化。

ですって〜〜

 

UKANO仙人より

 

認知症ねっと」 って知ってるかな? 5分でできる認知機能の簡単セルフチェックができるぞ! もちろん無料だ!無料好きだろ?        https://info.ninchisho.net/check/ch20(この診断結果はあくまでも参考です)

 

〜帰宅〜

グミ:ねねねねねー!

グミ:お父さんやばいんだけど、病院でね今日は何月何日ですかって質問されて、2月って言ったんだけどぉぉぉぉぉお!!

旦那え〜っと今日は8月か!...それって痴呆症なの?

グミ:なんかね、まあまあボケてるのに特に異常はないらしいのよ。念のため脳も調べた方がいいってそのまま脳神経外科にいって見てもらったんだけど、特に異常はないらしい。老化なのかな?

グミ:あと、今痴呆症って言わないから!今は認知症に名称変更したんだよ。

 

旦那:あ、そうなんだ〜。ま〜何もないならよかったね!

グミ:う、ん〜だね(こいつお気楽だなぁ)

UKANO仙人より

物忘れと認知症の違いについて簡単に説明しよう!記憶には、1,覚える→2,保持する→3,引き出す、という三つの過程がある。加齢による物忘れは3の引き出す機能が衰えることで起こる。頭の中にある膨大な情報から的確な内容を呼び出せなくなるのだ。ただし記憶自体は残っているので、きっかけがあれば「あ、そうだった!」と思い出せる。しかし、認知症は、1,2にも障害が起こるので、記憶自体がなくなる。体験を忘れると認知症の可能性が高くなるのだ。

 

【物忘れと認知症の違い】

 

次週に続く


《登場人物》

パパ:61歳 定年退職をし家でぐうたらしている。散歩が好き。ここ最近はテレビを延々と見ている友達のいない(少ない)初老

ママ:60歳 週5でパート。どこにでもいる主婦。なかなか行動に移せない派

グミ:31歳 娘。結婚して旦那と二人暮し。フットワーク軽めの行動派

旦那:32歳 かなり穏やかなタイプ

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第1話 若年性アルツハイマー型認知症パパ VS 介護初心者ムスメ 時々ママ

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60歳で会社を退職したパパとパート勤めのママ。娘グミはやっと旦那をみつけて平穏な暮らしがはじまった。弟は子供も生まれ少し離れたところで暮らしている。とっても普通の家族のお話。 そんな家族のもとに介護がやってきた。どうしたらいいの?なんて言ってられない。介護初心者で何の知識もないけども、向き合わなければならない時がきてしまったのだ。でも大変なんて思いたくない。かわいそうとも思われたくない。家族のみんなが介護のせいで悲しくなるのも避けたい。賢く楽しく介護に向き合うには。。!ありのままの一連を連載していきます。

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